ブライダルフォトで生計を立てているプロと違って、一般の列席者が撮る写真は気まぐれです。
ケーキ入刀などは、こぞってシャッターを押しますが、興味のないものは写しません。
写真を撮ることよりも、自分を撮って欲しいわけです。それも自分のカメラで・・・
そんなワガママをいちいち聞いていたら、アナタはカメラマンではなくてシャッターマンになってしまいます。
ほどほどにして、本来の任務を遂行しないとね。時間はあまりないですよ。
プロが外してならないのは、結婚式当日の行事・イベント・アトラクションと、それを演じる人達すべてです。
  でも、そうした場面の多くは、列席者の誰かが似たような写真を撮っています。
一人なら少ないカットでも全員から集まってくると、披露宴の全貌が見えてきます。
ただ普通に撮っただけでは、高いお金を払ってプロを雇った価値が薄くなってしまいます。
後になって「頼まなきゃよかった」ということになりかねません。
ですから、プロは一般の列席者が撮らないカットを数多く紛れ込ませます。
代表的なものが「小物」です。小物といってもネックレスや髪飾りの類だけではありません。
教会で署名した羽根ペン、結婚指輪をのせたリングピロー、フラワーシャワーの花びらが入った籠、
宴会場の挿花やキャンドル、衣裳が変わるごとのブーケ、会場のシャンデリア、等々・・・
これらの被写体をアップで狙って撮る列席者は、まずいません。
小物のなかでも特に大切なのは、新郎新婦が自ら作った(あるいは作らせた)アイテムです。
ウェルカムボードやブーケなど、二人の想いが詰まった「こだわりの品」を見逃さないようにします。
ウェルカムボードにガラスがはめこんであるときは、反射に注意します。
自分が写り込まないように角度を調整しましょう。
ストロボを直焚きした場合でもフラッシュ光の照りを防げますから。
中級者向けの初めのページで神前式の注意を書きましたが、教会式については省略しました。 チャペルの規模や構造が神殿に比べて多様化しているので、これだ!というキメワザが難しいからです。 ひとつだけウラワザを紹介しておきます。リハーサルを利用することです。
新郎新婦にくっついてチャペルに潜り込みます。
このときに、天井の高さや壁の色、全体の間取りなどをチェックしておきます。
ストロボがバウンスで使えない状況なら、室内照明だけで撮ることになります。ブレずに写せる感度を選びます。
本番での撮り損じを想定して、指輪交換や宣誓書へのサインなど、まねごとのポーズでいいから押さえておきたいですね。
露出やホワイトバランスは、このときチェックしておきます。
チャペル内部の情景も撮っておきましょう。チャペルに限らず、誰もいない無人の会場風景を押さえておくのも大事ですよ。